2007年10月30日

エアコンのデザインは進化したのか!?

 証明写真を撮る必要があったので、通りがかりの写真屋に入ってみた。
“証明写真”という電飾スタンド看板が出てはいたが、コンセントは入れておらず、光らないまま放置されていて、中は薄暗い写真屋であった。店内はガランとしていて、今はセミリタイア状態といった感じである。
 入り口のガラスには、「○○写真機店」と書いてあった。昔は写真機を販売していたんだな。カウンターとなっている木製の枠でカーブのあるガラスのショーケースの中には、昔は写真機が沢山並べられていたのだろうが、今はもう何も入っていなかった。
 店内に入るのに反応して“ピン・ポーン”とチャイムが鳴り、上の方からおじいさんが「はーい」と言ってえっちらおっちらと下りて来た。
 証明写真を撮りたいと告げると、証明写真専用のブースの方に入れられ、撮影された。証明写真専用のブースがしつられていることから分かるように、店内は結構広い。昔は新しい写真機が並ぶ、活気がある店だったんだろうな。
 フラッシュが光って撮り終わったと思ったら、「すみませんフイルムが入ってなかったのでもう1回お願いします。」
 カクッ。久しぶりの撮影だったので弘法も筆の誤りか猿も木から落ちるか。
 
 証明写真が出来上がるまで、座って待つことになった。昭和初期にタイムスリップしたかのような、非常に興味深いつくりである。
 そして、私が座っている前方の壁の天井近くに、非常にエレガントで懐かしさを感じさせる物体が鎮座していたのである。



    
  
 非常に気になったので店主に聞いてみると、やはりエアコンであった。
 エアコンが出て間もない頃の機種のようで、当時の価格で40万円近くしたらしい。しかも電気を非常に食ったらしい。今はもう壊れて使っていないという。
 
 今では普及して、デザインもある程度決まったフォーマットがあるエアコンであるが、出た当時はこんな形をしていたのか。現在のデザインとはかなり違っているので、非常に斬新で新鮮に感じる。
 今のエアコンのデザインは、いかにも白物家電そのものといった感じで、単なる白くて細長くて味も素っ気もない物体である。
 しかし、出た当初は、こんなに風情のあるデザインをしていたのである。
 最も目を引くのは、エアコン前面に一面に施された装飾である。こんな装飾があると、安らぎを感じますね。
 また、木製ではないのであるが、木を思わせる色もいい。
 そういえばCDが登場する前のまだレコードしかなかった時代のステレオは木製や木の色をしたものが多かった。
 木製や木の色をしていると、家電というより、家具のような感じがする。当時はステレオやエアコンは家電ではなく、家具のように扱われていたのではないか。
 家具のように扱われていたエアコン。長年のうちに進化を遂げ、現代のような形になった。
 しかしこれは、果たして進化と言えるのだろうか。ただ単に温度調節すればいい、という機能重視で進化してきたのであろうが、登場当初に持っていた、家具の一要素としての見て楽しむ要素・デザイン面はどうなのだろうか?
 そう考えてみると、今後、木目や木の色をした家具調の家電が出てきても面白いかもしれない。木目が印刷されたノートパソコンが出てきたら購入したくなる。
 
 非常に面白いと思ったので、携帯のカメラに撮らせてもらった。
 技術の進歩のおかげで写真が簡単に取れるようになったのはありがたいことである。昔は写真機という高価な機器を持ち歩き、現像するためにフイルムをカメラ屋に持っていき、写真ができるまで数日待たなくてはならなかった。
 しかし思えば、このような進歩のために、この店のようなカメラ屋さんの仕事が減少することになったのである。
 昔は“写真機”という高価な機器で行っていたことが、携帯電話で手軽に行えるようになった。昔のように、現像済みのフイルムを持って写真屋に持ち込む機会もめっきり減った。
 また、大規模家電販売店が増えることにより、町の小さな“写真機屋”でカメラやデジカメを購入することも少なくなった。
 そのような時代の変化により、町の小さな“写真機屋”さんの仕事は減っていったのだろう。
 この店も、昔はショーケースに新品のキラキラ光る写真機が並び、販売直後の珍しいエアコンが入り、写真機を購入する人や写真の現像のために大勢の人が出入りする活気ある店だったのだろう。
 大規模量販店が一人勝ちする一方で町の小さな店が衰退するという空洞化現象は、果たして人類の進歩なのだろうか?むしろ退化現象ではなかろうか?
 とは思うのであるが、大規模量販店の一人勝ちに否定的な私自身も携帯電話のカメラで写真を撮り、町の写真屋を利用していないのだから。時代の流れに流されざるを得ない。
  
 さて、エアコンのデザインは進化したのだろうか?
 温か味のある家具調をしていたものが、機能の向上と共に無味乾燥の白物家電へと変貌する。
 そして、我々の社会もまた、進化したのだろうか?
 町の小さな個人経営の店に活気があった時代から、大規模量販店が物量作戦で客を集め、町の小さな個人経営の店が衰退する空洞化現象。このような状況は最大多数の最大幸福をもたらすのだろうか?むしろ“最小少数の最大幸福”をもたらすのではないだろうか。
 このままいけば、一部の経営者階級が最大多数の富を独占し、大多数の国民がワーキングプアというプチ奴隷制社会に行き着くのかもしれない。
 このようなことを言っている私自身も実は個人経営の店はほとんど利用せず、専ら大規模店舗を利用しているのだから、もはや大規模店舗の独占状態及びプチ奴隷制社会は止めることのできない時代の流れなんだろう。そしてもちろん私は負け組の方へ……。
 
 この日私が見聞した出来事は、やがて大部分の庶民階層が将来迎えるアンチユートピア的日常を示唆するものではなかろうか……と、偶然入った店で発見したレトロでヴィンテージな家電を面白おかしく紹介するつもりが、何だか暗い方向に進んでしまった。
 私の懐古趣味は、未来への悲観主義と表裏一体となっているようだ。
 

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posted by 荒馬紹介 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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