2025年01月07日

『坂の上の雲』と司馬遼太郎



(百年 未来への歴史)デモクラシーと戦争:6 歴史を物語るということ
  https://www.asahi.com/articles/DA3S16120054.html

司馬遼太郎が恐れた誤解と弊害 映像化を断り続けた「坂の上の雲」
  https://www.asahi.com/articles/ASSDS14J6SDSUPQJ00NM.html

>司馬史観とは「定義はないが、強いて言えば、明治を好意的にとらえる歴史の見方」と福間さんはみる。だが、「司馬史観を単純に『日本人の誇り』を喚起するものとするのは、司馬作品の誤読で、司馬が懸念した読まれ方だろう」という。

>司馬の妻で、映像化発表時に理事長だった故福田みどりさんは当時「私の死後に勝手に映像化されるより、ちゃんとした作品を今作ってもらうことにした」と語った。現理事長の上村洋行さんは「戦争の醜さ、悲惨さを直接的、または親から聞いて間接的に知るNHKのスタッフ、プロデューサーが最後の世代になったから」と説明する。財団は、戦闘シーンが派手な戦争ドラマにはしないように伝え、脚本を固めるまで2、3年、NHKと議論したという。

>「日本軍による略奪はなかった、と司馬は書いているじゃないか」と反発する声もNHKには届いたという。NHK関係者は「右からも左からも批判される。難しい作品だった」と語る。

>福間良明・立命館大教授は「今の自分たちにとって心地も都合もいいものとして歴史を見れば、ある種の一体感は生まれるだろうが、それは危うい社会でもある。自身のイデオロギーや『正しさ』を揺さぶられる歴史の見方、読書が大切ではないか」と考えている。


西尾幹二・藤岡信勝・小林よしのりらが「司馬史観」を掲げて立ち上げた「新しい歴史教科書をつくる会」の登場は悪夢のような時代だった。
しかし現在はそれよりもっと悪くなっているが。


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posted by 三丁目の書生 at 16:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の覚え書き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする