2014年02月11日

大川恒平師の手相学

 手相について考える際、大川恒平師の手相学は、独自の地位を保っているでしょう。
 師は、手の平の線の流れを、


生命線(生産線)→健康線(肝臓線)→感情線(心情線)→頭脳線(知動線)


の順に流れていると考え、これはすなわち、人間が外部から酸素・栄養素を取り入れ、消費していく過程を表している、という仮説を立てられました。
 一方、運命線・太陽線・向上線など、後から現れる線は、後天的な精神・頭脳活動を表す、としています。
 また、独自の研究の結果、手の平の部位は大脳地図と対応していると発見され、対応図も掲載されています。
 師は、生物学に基づく新しい手相学を「科学的手相学」として発足されました。


「この新しい手相学はまだ出発したばかりで、まだまだ完全なものではありません。大方のご声援のあらんことを。」


 大川師は学生時代から自分の手相を記録し、その変化を観察する一方、先人の学説を比較検討し、独自の理論を打ち立たれたのです。


 大川流と従来の手相の見方を比較すると、一番大きな違いは、知能線についての解釈でしょう。
 大川流では頭脳線(知動線)は、末梢神経(感覚神経+運動神経)の働きを表す、としています。
 それで、雑誌に掲載されていたゴルバチョフなど著名人の手相を手相家が解釈した記事を新たに大川流で解釈し、
「こんなに違うのです」
と書かれているのですが、そんなに大した違いがないような気も。


 また、西谷泰人師や丸井章夫師のように厳密に流年をとって細かく未来を予言する流派がありますが、大川流では、最終的には流年は運命線だけ見ています。運命線の変化は脳が重圧を感じて起こるのだ、という考え方で、未来予言に重きを置いていません。


大川師が著した手相書は、3冊あります。

   すぐに役だつ新手相学入門 (1978年)

   運をひらく手相―この手相学こそ、あなたの未来をズバリ教え導く!

   手相学のコペルニクス的転換


 他に、本名で自費出版した書が1冊あるようですが、詳細は不明です。
 上の3冊の中で一番新しい書は、
   手相学のコペルニクス的転換 (2000年)  
 結論のみが記された教科書的な書で、大川手相学の最新報告版といった性格の書となっています。


 その前に発行された
   運をひらく手相  (1994年)
は、若い時代の経験や師の兄上のことなど記されています。


 しかし一番興味深いのは、一番最初に発行された
   すぐに役だつ新手相学入門 (1978年) 
でしょう。
 大川手相学がある程度確立されてから記された前記二書とちがって、本書においては、未だ模索中だった頃の思索の過程が伺われます。

 
 例えば、頭脳線(知動線)の切れ目の解釈について、先人の大家の説を比較検討しておられます。

 
沢井民三説
樫尾太郎説
銭天牛説
中村文聡説

 
 大川師は、これらの説は木を見て森を見ていなかったのではないか、と、自説を展開されています。
 他の部分では、大和田斉眼師や浅野八郎師の説も検討されていて、偉大な先人総登場といった感もあります。

  
また、  
 生命線→生産線 健康線→肝臓線 感情線→心情線 頭脳線→知動線 
という大川師オリジナルの言い換えは、最初の『新手相学入門』でのみ使われていて、後に著された二著では、一般的な名称で呼ばれています。

  

  
 大川師は、手相学の大家・平竹辰師の研究を発展させて、脳と手相の関係を研究されたということです。
 その後、大川流を継承されている方はいらっしゃるのでしょうか。
 忘れ去られるには惜しい研究だと思います。




 大川恒平師といえば、筮竹と算木が付録に付いた『易占い入門』も著されています。


   ★東洋秘術 易占い入門 (サラ・ブックス)

   ★筮竹占いの秘密 (1977年) (サラ・ブックス)


 簡にして要を得た入門書です。
 六十四卦の解説は見開き2ページですが、的確で分かりやすいと思います。
 ただ、筮竹は20本で、20本筮竹占いとなっています。


フェアリア未紀のプチ予言
 筮竹占いの秘密
  http://petityogen.livedoor.biz/archives/50891521.html

伯さんの開運手相占いのブログ
 手相 平竹辰・大川恒平(及川充)(占い書への鎮魂歌 その14)
  https://ameblo.jp/hakuchantesou/entry-12600363665.html



ブクログ すぐに役だつ新手相学入門 http://booklog.jp/item/1/B000J8MA10

うらない街道手相入門
  http://yorodzu.seesaa.net/article/323171194.html
人相学で地震予知!?南海トラフ
  http://yorodzu.seesaa.net/article/371653201.html
画相で見るという人相術
  http://yorodzu.seesaa.net/article/300241443.html
大道芸・大道易学六魔 見たいなあ
  http://sakai.areablog.jp/blog/1000026345/p10775796c.html

 

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ラベル:大川恒平 手相
posted by 三丁目の書生 at 18:21| Comment(2) | TrackBack(1) | 占い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
万年週末占い研究青年の覚え書き
 夢をかなえる手相の本 西谷泰人師
  http://iching.seesaa.net/article/474249997.html
  ↑TB代わりのコメントです。
Posted by 曙光庵主人 at 2020年03月26日 20:36
万年週末占い研究青年の覚え書き
【手相と漢方】幾嶋泰郎師
  https://iching.seesaa.net/article/502751310.html
↑TB代わりのコメントです。
Posted by 曙光庵主人 at 2024年03月22日 21:02
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